音楽君のブログ

西洋音楽に関係のある語句紹介をしています。

楽器(電子楽器)

定義

電子回路によって発音する楽器を総称して電子楽器という。エレクトリック(エレキ)・ギターなどのように、伝統的な楽器と同じ発音原理で出した音を電気式のピックアップで拾い、アンプやスピーカーで拡大するしくみのものとは電気楽器とよび、電気楽器には分類しない。

歴史

 世界初の電子楽器は、1906年にアメリカのケイヒルが制作したテルハーモニアムであるとされている。これは1種の電子オルガンであるが、家1軒分もある巨大なものだった。

 1920年にロシアのL.テルミンが全く新しいタイプの電子楽器を発明した。四角い箱からアンテナが2本出ており、このアンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることにより、発音・音高の変化・音量の調整などをおこなう。今では発明者の名前をとってテルミンとよばれる。

 1928年にフランスのM.マルトノが発明したオンド・マルトノは鍵盤での演奏もできるが、リング(コードのついた指輪)を指にはめて操作すると、ポルタメントを書けることができる。1947年にパリ国立舞踊音楽院にオンド・マルトノが設置されたほか、O.メシアンの《トゥランガリ交響曲》などの作品でも使われている。

 電子オルガンでは、アメリカの時計制作者だったL.ハモンドが、1935年にハモンド・オルガンを発表し、一時代を画した。日本では1950年代末から生産・販売された。

 最初のシンセサイザーは、1955年にアメリカで発表された。これは、電子回路によりさまざまな電気信号を合成し、アンプとスピーカーを通して発音する機械である。

1964年アメリカのR.モーグトランジスタをもちいた大量生産向きの装置を開発した。

 

参考文献

久保田慶一 他 『音楽用語の基礎知識――これから学ぶ人のための最重要キーワード100』 東京:アルテスパブリッシング。